インフルエンザ家庭内感染|乳児期に経験した看病と隔離の現実

子育てケア

はじめに|家庭内でインフルエンザが広がると、看病は「長期戦」になる

インフルエンザは学校や園からもらってくるイメージがありますが、

実際は家庭内で一気に広がることも珍しくありません。

とくに乳児期や授乳期は、隔離やマスクの徹底が難しく、

「気をつけていたのに広がった」と感じやすいです。

私が子どものインフルエンザを初めて経験したのは、

1人目が1歳0か月のときでした。

きっかけは父親の感染で、そこから子ども、さらに私へと広がりました。

報道でタミフルの異常行動が取り上げられていた時期でもあり、

熱が下がらない夜は怖くて眠れなかったことを覚えています。

この記事では、家庭内感染の現実を前提に、

隔離が難しい家庭で「何を優先し、どう乗り切るか」を、

我が家の体験も交えながら整理します。

家庭内感染が起きやすい理由|「できない対策」があることを知る

家庭内感染が起きやすいのは、あなたの対策が甘いからではありません。

条件的に、感染を止めにくい要素がそろっているからです。

乳児・幼児は接触が前提

抱っこ、授乳、寝かしつけ、鼻水の拭き取り。

どれも距離が近いケアです。

大人のように別室で静養…ができないことも多いです。

同居家族は生活動線が重なる

トイレ、洗面所、ドアノブ、リモコン、タオル。

共有物が多いほど、ウイルスが移りやすくなります。

看病する大人が倒れると、対策の質が落ちる

私も感染して高熱になったとき、

「手洗いを完璧に」「換気を計画的に」

なんて正直できませんでした。

体力が落ちると、対策は続きません。

だからこそ、最初から“完璧”を目指さない設計が大切です。

我が家の体験①|父→子→母へ。授乳期の看病が一番しんどかった

父親がインフルエンザに感染し、数日後に1歳の子が発熱しました。

38度台が続き、元気は落ち、機嫌も不安定。

夜間は眠りが浅く、授乳もあり、看病する側の休息が確保できませんでした。

さらに当時は、タミフルの異常行動がニュースで繰り返し流れていた時期で、

「薬を使うべきか」「使った後に何か起きないか」と不安が増幅しました。

※現在はタミフルの異常行動ではなく、高熱による熱せん妄が原因と言われています。

子どもの熱が下がらない夜は、時計ばかり見て、

眠れずに朝を迎えたことを覚えています。

そして私も感染。

高熱とだるさで立っているのもしんどい中、授乳と看病は待ってくれません。

涙が出たのは、「つらい」以上に「終わりが見えない」ことが苦しかったからだと思います。

途中で父親が回復し、交代できるようになったのは本当に救いでした。

インフルエンザの看病は、誰か一人が背負い続けると限界が来ます。

交代要員がいるかどうかで、家庭のダメージは大きく変わります。

家庭内感染で優先すること|隔離よりも「安全の確保」と「回復の土台」

家庭内感染が起きたら、やることは山ほどあります。

でも全部はできません。

私は次の順番で優先順位をつけるのがおすすめです。

① 命に関わるサインを見逃さない(最優先)

インフルエンザは多くが自宅療養で回復しますが、脱水や呼吸状態の悪化など、早めに受診が必要なケースもあります。

・呼吸が苦しそう(肩で息をする、胸やお腹がへこむ)

・ぐったりして反応が弱い

・水分がほとんど取れず、尿が半日以上出ない

・意識がもうろうとしている、けいれんがある

こうしたサインがあれば、迷わず相談してください。

② 水分と睡眠を守る(次に重要)

発熱時は汗や呼吸で水分が失われやすく、

食事が取れなくても脱水だけは避けたいところです。

水分は「量」より「頻度」。

一口でもよいので、こまめに。

嘔吐がある場合は少量ずつ、間隔を空けて与えます。

睡眠は、子どもだけでなく看病する大人にも必要です。

授乳期は特に難しいですが、可能なら「夜の役割」を分ける、

昼に10分でも横になるなど、細切れでも回復の時間を作ります。

③ 家庭内対策は「一点集中」で十分

全部を消毒する必要はありません。効果が高いところに絞ります。

・手洗い(帰宅時、トイレ後、鼻をかんだ後、食事前)

・共有物のポイント拭き(ドアノブ、リモコン、スマホ、蛇口)

・タオルの共用をやめる(ペーパータオルや個別タオル)

・換気(短時間でも、1日数回)

これだけでも家庭内感染の連鎖を弱められます。

隔離の現実的なやり方|「できる範囲」で被害を減らす

乳児がいると、完全隔離は難しいです。

だから私は「完全を目指さない隔離」に切り替えます。

寝る場所をゆるく分ける

可能なら、感染者は同じ部屋でも端、

布団の向きを変える、距離を取る。

難しければ、顔を近づける場面(添い寝中の向き)だけ意識します。

食事・飲み物のルールをシンプルに

コップの共用をしない、取り分け用の箸を使う。

できない日は「取り分けだけは守る」など、最低限に絞ります。

看病担当を固定しすぎない

授乳期は母親が中心になりがちですが、母が倒れると一気に回りません。

父が回復したら交代、祖父母など頼れる人がいれば短時間でも入ってもらう。

とにかく看病者を守るのが最終的に子どもを守ります。

受診のタイミング|「検査の時期」より「状態」で決める

インフルエンザは発症直後だと検査が陰性になることがあります。

ただ、家庭で迷うときの軸は「検査が当たるか」ではなく「今の状態が安全か」です。

・ぐったりしている

・水分が取れない

・呼吸が苦しい

・高熱で眠れない、意識が変

この場合は、検査のタイミングを待たずに相談してよいです。

一方で、元気があり水分が取れているなら、半日〜1日ほど経過を見て受診する選択もあります。

流行状況や年齢(乳児かどうか)も踏まえて決めます。

薬の考え方|解熱剤は「熱を下げるため」だけに使わない

解熱剤は、熱をゼロにする薬ではありません。私は「休息と水分が取れる状態を作るため」に使います。

・つらくて眠れない

・痛み(喉・頭)が強い

・ぐずりが強く水分が取れない

こういう時は、寝る前に使うことで家庭が回ることがあります。

逆に、熱が高くても機嫌がよく水分が取れているなら、無理に使わなくてもよい場面もあります。

薬を使う前後は、体温よりも「呼吸」「反応」「水分」「尿」を確認します。

家庭での1日ルーティン例|迷わないための「型」

看病が長引くと、毎回判断が必要で疲れます。

私は、ざっくりでも“型”を作っておくと楽でした。

朝:体温と全身状態の確認(元気・呼吸・水分・尿)→水分の準備→部屋の短時間換気

昼:食べられる物を少量(ゼリー、うどん、スープなど)→ポイント拭き(ドアノブ・リモコン)

夕:入浴は無理せず、汗を拭いて着替えだけでもOK→寝る前に水分→眠れないほどつらければ解熱剤を検討

夜:尿が出ているか、呼吸が苦しくないかを確認→看病者も必ず横になる

「完璧な家事」より「回復の土台」を守る方が、結果的に早く落ち着きます。

授乳期のポイント|母乳は続けていい?

授乳期に母が感染すると不安になりますが、

基本はかかりつけの指示に従いながら、

可能な範囲で続けて大丈夫なことが多いです。

私が意識したのは、授乳のたびに手洗いをする、

母の水分を増やす、

しんどい時は搾乳やミルクに切り替えられるよう

“逃げ道”を用意することでした。

授乳が続くと夜に眠れず消耗しやすいので、

昼に10分でも目を閉じる、父に抱っこ交代してもらうなど、

短い休息を積み重ねました。

看病者が倒れたときの備え|最初から「崩れる前提」で組む

私自身が感染したとき痛感したのは、

看病の計画は元気な時にしか立てられない、

ということです。

だからこそ、家庭内で決めておくと助かることがあります。

・買い足すなら何(経口補水液、ゼリー、使い捨て手袋、ペーパータオル)

・夜の担当をどう回すか

・受診の連絡先(夜間救急、かかりつけ)

・上の子の対応(動画タイムを増やす、簡単ごはんでOKにする)

「最低限これだけ」ルールがあると、発熱の夜に判断がぶれにくくなります。

まとめ|家庭内感染は「防げないこともある」。だからこそ、優先順位で乗り切る

インフルエンザの家庭内感染は、どれだけ気をつけても起こることがあります。

隔離ができなかった、うつってしまった、と自分を責める必要はありません。

大切なのは、

命に関わるサインを見逃さないこと、

水分と睡眠を守ること、

そして家庭内対策は一点集中で続けることです。

看病するあなた自身も守られるべき存在です。

つらい時ほど、頼れる先に早めに相談してください。

*関連記事|子どもの発熱

インフルエンザでは高熱が続くこともあります。

発熱時に家庭で確認したいポイントと受診の目安をまとめています。

▶︎ 子どもの発熱|様子見と受診の判断ポイント【インフルエンザ流行期の体験つき】

*関連記事|受診の目安|様子見と病院に行く判断

「この状態で受診すべき?」と迷ったときに、

家庭での判断ポイントを整理しています。

▶︎ 【受診の目安】子どもの症状で迷わないための家庭判断|看護師ママのチェック基準

【筆者:まみ】|くらしのケアノート

「家庭の困りごとにそっと寄り添う、くらしのケア図書館」をコンセプトに、
おうちでできるやさしいケアと、暮らしをラクにする知恵を発信しています。

正看護師として10年以上勤務。
脳外科病棟を中心に、ICU(集中治療室)との兼任を含む高度急性期医療から、
消化器科(一般病棟/がん専門病棟)、結核などの指定感染症管理まで幅広く経験しました。

その後、デイサービスにて介護・リハビリ領域の看護にも携わり、
生活期の視点からのケアや家族支援を実践しています。

1000km単位の転勤を2度経験した4児のワンオペ母。
30分以内で作れる時短料理と、無理しない家庭運営が得意です。

▼Instagram:@kurashi_care(準備中)
▼BOOTH:PDFテンプレ販売予定

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