入浴後の脱水を防ぐ|「元気がない」に気づくための家庭ケア 看護師ママが教える体調変化の見分け方

介護ケア

入浴後に脱水が起こりやすい理由

入浴は血行を促進し、体を温め、心身をリラックスさせてくれる大切な生活習慣です。

一方で、高齢者にとっては 入浴後に脱水が進みやすい時間帯 でもあります。

入浴中から入浴後にかけて、体では次のような変化が起こっています。

・発汗による水分喪失

・血管が拡張し、体内の水分が皮膚側へ移動

・入浴後もしばらく汗が続く

特に高齢者は、若い頃に比べて 体内の水分量そのものが少ない 状態です。

そのため、少量の水分喪失でも体調に影響が出やすくなります。

さらに、

「お風呂に入ってさっぱりした」

「一仕事終えた」

という感覚から、水分補給が後回しになりやすいのも特徴です。

高齢者は「のどの渇き」に気づきにくい

加齢により、のどの渇きを感じる感覚そのものが鈍くなる ことが分かっています。

その結果、

・実際には体が水分を必要としている

・それでも本人は「のどが渇いていない」と感じている

という状態が起こりやすくなります。

医療や介護の現場では、

「のどが渇いたら飲む」

という考え方は 高齢者には当てはまらない とされています。

大切なのは、

時間や行動に合わせて水分をとる習慣を作ること です。

特に入浴後は、意識的な声かけと環境づくりが欠かせません。

家庭でできる脱水チェック|ツルゴール反応とは

脱水の目安として、医療現場でもよく使われているのが

ツルゴール反応(皮膚ツルゴール) です。

これは家庭でも簡単に行うことができます。

ツルゴール反応のやり方

  1. 手の甲、または前腕の皮膚を軽くつまむ
  2. そのまま指を離す
  3. 皮膚が元に戻るまでの様子を見る

判断の目安

・すぐに戻る → 水分状態は問題ない可能性が高い

・戻りがやや遅い → 軽度の脱水の可能性

・シワが残る、戻りが悪い → 脱水が進んでいる可能性

高齢者はもともと皮膚の弾力が低下しているため、

「普段と比べてどうか」 を見ることが重要です。

毎日の観察の中で取り入れると、体調変化に気づきやすくなります。

入浴後に見逃しやすい脱水のサイン

脱水は、必ずしも分かりやすい症状で現れるとは限りません。

入浴後、次のような変化があれば注意が必要です。

・ぼんやりしている時間が長い

・返事が遅い、反応が鈍い

・口の中や唇が乾いている

・尿量が少ない、尿の色が濃い

・足がつる、こむら返りが起きる

・食欲が落ちている

これらは 軽度から中等度の脱水 のサインであることがあります。

「疲れただけかな」

「年齢のせいかな」

と見過ごさず、

いつもと違う様子 として捉えることが大切です。

無理なくできる水分補給の工夫

「水分をしっかりとりましょう」と言われても、

一度にたくさん飲むのは高齢者にとって負担になることがあります。

基本は、

少量・こまめに・無理なく です。

取り入れやすい工夫

・入浴前後にコップ半分程度

・白湯、麦茶、ほうじ茶

・味噌汁やスープなどの汁物

・ゼリータイプの補水食

入浴後は血流が良くなっているため、

水分が吸収されやすいタイミング でもあります。

「飲ませる」ではなく、

「一緒に飲む」

という声かけも、自然な水分摂取につながります。

入浴後の脱水を防ぐための環境づくり

脱水予防は、本人の努力だけに頼らないことが大切です。

家庭でできる環境づくりの例です。

・脱衣所やリビングに飲み物を準備しておく

・入浴後すぐに座れる椅子を用意する

・「飲んだ?」ではなく「一緒にお茶にしよう」と声かけする

介護では、

本人が自然に行動できる環境を整えること が何よりのケアになります。

看護師ママの現場体験と家庭での視点

病棟で勤務していた頃、

入浴後にふらつきや脱力を訴える高齢者の方を多く見てきました。

その多くが、

入浴による軽い脱水と血圧変動 が原因でした。

水分を少し補給するだけで、

表情が戻り、会話がはっきりすることも少なくありませんでした。

家庭でも同じです。

大きな異変の前に、小さな変化 は必ず現れます。

まとめ|「なんとなく元気がない」を見逃さない

・入浴後は脱水が進みやすい

・のどの渇きは判断材料になりにくい

・ツルゴール反応で家庭チェックができる

・水分補給は少量・こまめに

・環境づくりと声かけが最大の予防

入浴は、毎日の生活を支える大切な時間です。

だからこそ、安全に続けるための視点 を持っていきましょう。

【筆者:まみ】|くらしのケアノート

「家庭の困りごとにそっと寄り添う、くらしのケア図書館」をコンセプトに、
おうちでできるやさしいケアと、暮らしをラクにする知恵を発信しています。

正看護師として10年以上勤務。
脳外科病棟を中心に、ICU(集中治療室)との兼任を含む高度急性期医療から、
消化器科(一般病棟/がん専門病棟)、結核などの指定感染症管理まで幅広く経験しました。

その後、デイサービスにて介護・リハビリ領域の看護にも携わり、
生活期の視点からのケアや家族支援を実践しています。

1000km単位の転勤を2度経験した4児のワンオペ母。
30分以内で作れる時短料理と、無理しない家庭運営が得意です。

▼Instagram:@kurashi_care(準備中)
▼BOOTH:PDFテンプレ販売予定

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