はじめに|嘔吐や下痢は「様子見」で迷いやすい症状
子どもが突然吐いたり、
下痢が続いたりすると、
多くの保護者が
「これは病院に行くべき?」
「もう少し様子を見てもいい?」
と迷うと思います。
嘔吐や下痢は、
発熱と違って
重症度が数字で見えにくい症状です。
そのため、
「一度吐いただけだから」
「下痢はよくあること」
と様子を見てしまい、
判断が遅れてしまうこともあります。
この記事では、
嘔吐・下痢があるときに
家庭で確認すべきポイントと、
受診に切り替える目安を
順を追って整理します。
嘔吐・下痢はなぜ起こるのか
嘔吐や下痢は、
体の防御反応として起こることが多い症状です。
・ウイルスや細菌
・食べ過ぎ、消化不良
・腸の動きの乱れ
などが原因で、
体が「外に出そう」と反応します。
そのため、
症状そのものよりも、
その後の体の状態を見ることが重要になります。
まず確認したい全体の考え方
嘔吐や下痢があったときは、
次の3つを軸に考えると
判断が整理しやすくなります。
・水分が保てているか
・元気や反応はどうか
・症状は落ち着いてきているか、悪化しているか
一つずつ確認していきましょう。
嘔吐があるときの観察ポイント
① 吐いた回数と間隔を見る理由
嘔吐は、
回数と間隔がとても重要です。
・短時間に何度も吐く
・飲んでもすぐ吐いてしまう
場合は、
水分が体に入らず、
脱水が進みやすくなります。
一方で、
・一度吐いただけ
・時間があいている
場合は、
落ち着いて様子を見ることも可能です。
② 吐いた内容で判断するポイント
吐物の内容も、
判断材料になります。
・食べたもののみ
・白っぽい胃液
は比較的よく見られます。
一方で、
・緑色
・コーヒー色
・血が混じる
場合は、
早めに医療機関へ相談してください。
③ 吐いた後の様子が重要な理由
嘔吐後に、
・少し楽そう
・眠れる
・表情が落ち着く
場合は、
一時的な嘔吐であることも多いです。
反対に、
・ぐったりする
・機嫌が極端に悪い
・反応が鈍い
場合は、
受診を考える目安になります。
下痢があるときの観察ポイント
① 回数と便の状態を見る理由
下痢は、
回数と便の性状をセットで見ます。
・水のような便が頻回
・量が多い
場合は、
水分喪失が大きくなります。
回数が少なくても、
水様便が続く場合は注意が必要です。
② 色や混じりもののチェック
便の色も大切なポイントです。
・血が混じる
・白っぽい
・黒っぽい
こうした場合は、
自己判断せず受診を考えます。
③ 下痢でも「元気」が判断の軸
下痢があっても、
・元気がある
・遊べている
・水分がとれている
場合は、
家庭で様子を見られることもあります。
反対に、
元気がない場合は
回数が少なくても注意が必要です。
嘔吐・下痢時の水分補給の基本
嘔吐や下痢が続くと、脱水のリスクが高まります。
家庭でできる脱水の見分け方については、
子どもの脱水の見分け方|家庭でできる観察ポイントと受診の目安
の記事で詳しく解説しています。
嘔吐や下痢があるときは、
量より頻度が大切です。
・一度にたくさん飲ませない
・少量をこまめに
・スプーン1杯からでもOK
嘔吐がある場合は、
5〜10分ほど間隔をあけて
少しずつ与えます。
食事は無理に与えなくてよい
嘔吐や下痢がある間は、
無理に食事をとらせる必要はありません。
水分がとれていれば、
1〜2日食べられなくても
大きな問題になることは少ないです。
食欲が戻ってきたら、
消化のよいものから再開します。
すぐ受診を考えたいサイン
嘔吐や下痢があるときに、
「今すぐ受診すべきか」「様子を見てよいか」
判断に迷った場合は、
【受診の目安】子どもの症状で迷わないための家庭判断|看護師ママのチェック基準
で、症状全体から考える視点をまとめています。
次のような場合は、
早めに医療機関へ相談してください。
・嘔吐が止まらない
・水分をほとんど受け付けない
・ぐったりして反応が弱い
・尿が半日以上出ていない
・血が混じった吐物や便がある
「様子を見ていいか迷う」
段階を超えています。
看護師ママの体験談|嘔吐=胃腸炎とは限らなかった経験
2人目の子どもが、
激しい嘔吐を繰り返したことがあります。
食あたりなど思い当たる原因はなく、
季節は秋から冬にかけてで、
ちょうど胃腸炎が流行る時期でした。
夜中から嘔吐が始まり、
はじめは自宅で様子を見ていました。
下痢は特になく、
「嘔吐だけ」という状態でした。
ところが、
夕方になるにつれて嘔吐の回数が増え、
一向に良くなる雰囲気がありませんでした。
水分も少しずつしか取れず、
だんだんと意識がぼんやりしてきたため、
慌てて救急外来を受診しました。
そこで、
血液検査やレントゲンなど
一通りの検査をしてもらった結果、
診断は 便秘 でした。
毎日お通じは出ていたため、
まさか便秘が原因だとは思っておらず、
とても驚いたのを覚えています。
この経験から、
子どもは毎日排便があっても便秘になり得る
ということを、身をもって実感しました。
そのときは浣腸をしてもらいましたが、
すぐに嘔吐が落ち着くことはなく、
食事はもちろん、飲み物もほとんど受け付けませんでした。
脱水傾向が強かったため、
3日間、通院で点滴に通うことになりました。
この経験を通して感じたのは、
嘔吐の原因は一つではないということ、
そして、
「様子がおかしい」という感覚を軽視しないことの大切さです。
体調不良時は、体温の見方も判断材料のひとつになります。
子どもの体温の測り方|年齢別のコツと正しい判断|看護師ママが解説
の記事もあわせて参考にしてください。
様子見できる場合でも注意すること
・元気がある
・水分がとれている
・症状が徐々に落ち着いている
このような場合でも、
経過観察は続けてください。
・回数が増える
・元気がなくなる
・水分がとれなくなる
といった変化があれば、
判断を切り替えます。
受診時に伝えたいポイント
受診する際は、
・嘔吐や下痢の回数
・いつから始まったか
・水分摂取の様子
・尿の回数
を伝えられると、
診察がスムーズです。
まとめ|嘔吐・下痢は「全体を見る」ことが大切
嘔吐や下痢は、
症状そのものよりも
その後の状態が重要です。
・水分
・尿
・元気
・経過
これらを総合的に見て、
迷ったときは早めに相談してください。


