浴室・脱衣所の転倒予防|家庭でできる入浴時の安全対策まとめ

介護ケア

入浴中・入浴後は「転倒リスクが最も高い時間」

高齢者の転倒は、屋外よりも 家の中、特に 浴室・脱衣所 で多く発生しています。

病院、在宅、デイサービスなどの現場でも、

「入浴中に転んだ」

「お風呂上がりにふらついて倒れた」

という相談は非常に多く聞かれます。

入浴は一見するとリラックスできる時間ですが、実は次のような 複数の危険要因が重なる時間帯 です。

・ヒートショック

・立ちくらみ

・筋力低下

・視界不良

・床の滑りやすさ

これらが同時に起こることで、入浴中・入浴後は 1日の中で最も転倒リスクが高い時間 になります。

そのため入浴ケアでは、

「しっかり温まる」こと以上に

「安全に終える」ことが何より重要です。

なぜ浴室・脱衣所で転びやすいのか

浴室・脱衣所は、日常生活の中でも特に転倒リスクが高い場所です。

主な理由は次のとおりです。

・床が濡れていて滑りやすい

・浴室と脱衣所の温度差

・湯気による視界不良

・寒さや焦りで急いで動きやすい

・裸足・薄着でバランスを崩しやすい

特に重要なのが 温度差によるふらつき です。

医療用語では 起立性低血圧 と呼ばれます。

入浴によって血管が広がった状態で急に立ち上がると、血圧が下がりやすくなり、

・めまい

・立ちくらみ

・目の前が暗くなる

といった症状が起こります。

高齢者は筋力や反射神経が低下しているため、

「ふらっとした瞬間」に体を支えきれず転倒につながりやすくなります。

転倒が起きやすい「3つのタイミング」

① 浴槽から立ち上がる瞬間

浴槽内では体が温まり、血管が広がっています。

その状態で急に立ち上がると、起立性低血圧による

・めまい

・立ちくらみ

・ふらつき

が起こりやすくなります。

対策

・立ち上がる前に一呼吸おく

・いきなり立たず、座った姿勢で数秒待つ

・手すりをしっかり使う

「ゆっくり動く」だけで、転倒リスクは大きく下がります。

② 体を拭こうとして前かがみになったとき

体を拭くときの 前屈み動作 は、バランスを崩しやすい姿勢です。

デイサービスや通所入浴では、

必ず椅子に座って体を拭く よう指導していました。

このとき特に重要なのが 椅子の安定性 です。

・軽くて動きやすい椅子 → 危険

・重く安定した椅子 → 安全

・壁に寄せて配置 → さらに安全

前屈みになった瞬間に椅子がズレると、そのまま転倒につながります。

③ 脱衣所で服を脱ぐ・着るとき

お風呂上がりは 気化熱 によって体が一気に冷えます。

寒さで焦ってしまい、

・急いで着替える

・片足立ちになる

・濡れた床で靴下を履く

といった行動が転倒につながります。

対策

・浴室内である程度体を拭いてから出る

・椅子に座って着替える

・濡れた床で靴下を履かない

湯冷めを防ぐことは、転倒予防にも直結します。

浴室内でできる転倒予防の基本

今日から家庭でできる基本対策です。

・滑り止めマットを敷く

・手すりを設置(簡易手すりでも可)

・イスに座って洗う・拭く

・立ち上がる前に深呼吸

「慣れているから大丈夫」

この油断が、事故につながることを現場で何度も見てきました。

脱衣所で見落としがちな危険ポイント

脱衣所は「家の中だから安全」と思われがちですが、危険が潜んでいます。

・マットがズレていないか

・床が濡れていないか

・照明は足元まで見えるか

・服やタオルが床に置かれていないか

・軽くて不安定な椅子を使っていないか

特に マットのズレ と 1cm未満の段差 は要注意です。

高齢者は視力や色彩識別力が低下しており、

湯気の立つ脱衣所では足元が非常に見えにくくなります。

看護師ママの体験談|実際に多かった転倒場面

病棟・在宅・通所入浴の現場で、

最も多かったのが 浴室内での転倒 でした。

・床に頭を打つ

・浴槽の縁にぶつかる

・台に腰や頭を打つ

結果として、

・頭部裂傷

・慢性硬膜下血腫

・硬膜外出血

につながるケースも少なくありません。

通所入浴では、

「たった一歩」「ほんの小さな段差」で

ヒヤリとする場面を何度も経験しました。

介助者の 声かけ・見守り・環境調整 が、事故を防ぐ大きな鍵になります。

今日からできる家庭での転倒予防チェック

・床は滑りにくい?

・立ち上がる動線は安全?

・夜間照明は足元まで見える?

・椅子は安定している?

一つずつ確認するだけでも、転倒は防げます。

まとめ|入浴ケアは「安全第一」

・転倒は「年齢のせい」ではない

・環境調整が最大の予防

・入浴ケアは「気持ちよさ+安全」が大切

入浴は毎日の大切な時間です。

だからこそ、事故を防ぐ視点 を持っていきましょう。

【筆者:まみ】|くらしのケアノート

「家庭の困りごとにそっと寄り添う、くらしのケア図書館」をコンセプトに、
おうちでできるやさしいケアと、暮らしをラクにする知恵を発信しています。

正看護師として10年以上勤務。
脳外科病棟を中心に、ICU(集中治療室)との兼任を含む高度急性期医療から、
消化器科(一般病棟/がん専門病棟)、結核などの指定感染症管理まで幅広く経験しました。

その後、デイサービスにて介護・リハビリ領域の看護にも携わり、
生活期の視点からのケアや家族支援を実践しています。

1000km単位の転勤を2度経験した4児のワンオペ母。
30分以内で作れる時短料理と、無理しない家庭運営が得意です。

▼Instagram:@kurashi_care(準備中)
▼BOOTH:PDFテンプレ販売予定

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