高齢者の脱水予防|家庭でできる見守りポイント 看護師ママが教える“気づけるケア”とツルゴール反応

介護ケア

高齢者の脱水は「気づきにくい」のがいちばん怖い

脱水というと、

「真夏」「汗だく」「喉がカラカラ」

そんなイメージを持つ方が多いかもしれません。

でも実際に多いのは、

本人も周囲も気づかないまま進む“隠れ脱水” です。

特に高齢者は

喉の渇きを感じにくい

トイレを気にして水分を控える

体調不良をうまく訴えられない

こうした理由から、

「なんとなく元気がない」

「今日は食欲がないな」

という曖昧なサインの裏に、脱水が隠れていることがあります。

なぜ高齢者は脱水になりやすいのか

高齢者が脱水になりやすい理由は、いくつも重なっています。

体内の水分量そのものが若い頃より少ない 腎機能が低下し、水分調整がうまくいかない 発汗や尿量の調整が鈍くなる 喉の渇きに気づきにくい 「トイレが近くなるから」と水分を控える

さらに、

発熱・下痢・嘔吐・食事量低下が重なると、

あっという間に脱水が進行 します。

脱水が引き起こす体のトラブル

脱水は「水分が足りない」だけの問題ではありません。

立ちくらみ・ふらつき 転倒リスクの増加 便秘の悪化 食欲不振 意識がぼんやりする せん妄(急に混乱したような言動) 尿路感染症・腎機能悪化

特に怖いのは、

「いつもと違う様子」が認知症や老化と勘違いされやすいこと。

実際、病棟では

「脱水を補正しただけで、見違えるほど元気になる」

という場面を何度も見てきました。

家庭でできる脱水チェック方法

病院のような検査がなくても、

家庭でできる見守りポイントはいくつもあります。

・尿の回数が減っていないか

・尿の色が濃くなっていないか

・口の中が乾いていないか

・唇がカサカサしていないか

・皮膚が乾燥していないか

・いつもより元気がない・眠そう

そして、

家庭で簡単にできるチェック方法として、とても役立つのが「ツルゴール反応」 です。

ツルゴール反応|家庭でもできる簡単チェック

ツルゴール反応とは、

皮膚をつまんで戻り具合を見ることで、体の水分状態を推測する方法 です。

医療現場では脱水評価の一つとして使われていますが、

実は家庭でも簡単に確認できます。

ツルゴール反応のやり方

手の甲、またはお腹・太ももなどの皮膚をやさしくつまみ上げる

パッと離す

皮膚の戻り方を観察する

 

判断の目安

すぐに元に戻る  → 水分状態は比較的良好

少しゆっくり戻る/シワが残る  → 脱水の可能性あり

戻りがかなり遅い  → 脱水が進んでいる可能性が高い

※高齢者はもともと皮膚の弾力が低下しているため、

「昨日と比べてどうか」「いつもより戻りが遅いか」を見ることが大切です。

「数字が出ない」からこそ、

毎日見ている家族の感覚がいちばんの判断材料 になります。

今日からできる脱水予防の工夫

脱水予防は、

「たくさん飲ませる」ことではありません。

ポイントは「こまめに・無理なく」

起床時 食事の前後 トイレ後 入浴前後 寝る前

このタイミングで、

少量ずつ水分をとる習慣 をつくります。

飲みやすさの工夫

常温〜少し温かい飲み物 好きなカップを使う 一気飲みを求めない 「一口でいいよ」と声をかける

「飲まなきゃ」ではなく

「一緒に飲もうか」がコツです。

水分だけじゃ足りない?電解質の考え方

汗や下痢、発熱時は

水分だけでなく 電解質(塩分など) も失われます。

こんなときは

経口補水液

味噌汁

スープ

スポーツドリンク

などを活用すると、体に吸収されやすくなります。

特に高齢者は

「水だけだと飲みにくい」ことも多いため、

味のある飲み物 が助けになる場面も多いです。

看護師ママの体験談|「なんとなく変」が脱水だった話

病棟でよくあったのが、

「昨日から元気がない」「会話が噛み合わない」という相談。

検査をすると、

原因は 軽度の脱水 だった、というケースが本当に多くありました。

点滴で水分を補正すると、

翌日には

「別人みたいに元気」

「いつもの笑顔が戻った」

そんなことも珍しくありません。

家庭でも、

「年だから仕方ない」と決めつけず、

脱水の可能性を一度疑ってみる ことは、とても大切です。

まとめ|脱水は“早く気づけば防げる”

高齢者の脱水は、

気づかれにくいからこそ注意が必要です。

喉の渇きだけを頼りにしない

日々の様子を見る

ツルゴール反応で皮膚の状態を確認

こまめな水分補給

水分+電解質を意識する

脱水は、

早く気づけば家庭で防げるトラブル です。

「今日は少し乾いているかな?」

その気づきが、大きな安心につながります。

 

【筆者:まみ】|くらしのケアノート

「家庭の困りごとにそっと寄り添う、くらしのケア図書館」をコンセプトに、
おうちでできるやさしいケアと、暮らしをラクにする知恵を発信しています。

正看護師として10年以上勤務。
脳外科病棟を中心に、ICU(集中治療室)との兼任を含む高度急性期医療から、
消化器科(一般病棟/がん専門病棟)、結核などの指定感染症管理まで幅広く経験しました。

その後、デイサービスにて介護・リハビリ領域の看護にも携わり、
生活期の視点からのケアや家族支援を実践しています。

1000km単位の転勤を2度経験した4児のワンオペ母。
30分以内で作れる時短料理と、無理しない家庭運営が得意です。

▼Instagram:@kurashi_care(準備中)
▼BOOTH:PDFテンプレ販売予定

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