ヒートショックとは?高齢者に多い理由
ヒートショックとは、
急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、体に負担がかかる状態を指します。
特に
・暖かい部屋 → 寒い脱衣所
・寒い浴室 → 熱いお風呂
といった温度差が大きい場面で起こりやすく、
高齢者では 失神・転倒・心筋梗塞・脳卒中 などにつながることがあります。
高齢者に多い理由としては
・血圧調整機能が低下している
・寒さや暑さを感じにくい
・動作がゆっくりで体温調節が追いつかない
といった体の変化が関係しています。
家庭で起こりやすいヒートショックの場面
ヒートショックは、病院や施設だけでなく、家庭内で起こることがほとんどです。
特に注意したいのは次の場面です。
・冬場の入浴
・夜間や早朝のトイレ
・起床直後の着替え
・暖房の効いていない廊下の移動
「家の中だから大丈夫」と思いがちですが、
実は 家の中こそ温度差が大きくなりやすい のです。
ヒートショックが引き起こすリスク
急激な温度変化が起こると、
寒い場所では血管が収縮して血圧が上昇し、
急に温まると血管が拡張して血圧が下がります。
この 急な血圧変動 が、
・立ちくらみ
・めまい
・意識消失
・転倒
につながります。
特に一人暮らしや夜間は、
倒れても気づかれにくいという危険性があります。
実際に脳外科に勤務していた時、明け方に運ばれてくる人の多くはヒートショックからくる脳卒中が多かったように感じます。
家庭でできるヒートショック予防の基本
ヒートショック予防で大切なのは、
温度差を小さくすることです。
難しい設備は必要ありません。
家庭でできる基本は次の3つです。
① 室温を“点”ではなく“線”で考える
リビングだけ暖かくするのではなく、
「移動する場所」を意識します。
・脱衣所
・トイレ
・廊下
この3か所を意識するだけで、リスクは大きく下がります。
② 急がせない・急がない
「早くお風呂入って」
「寒いから早く出て」
こうした声かけが、実は事故につながることもあります。
ゆっくり動ける環境を整えることもケアのひとつです。
③ 本人任せにしない
高齢者は
「寒くない」
「大丈夫」
と言うことが多いですが、感覚が鈍っている場合もあります。
周囲が気づいて調整することが大切です。
場所別|すぐできるヒートショック対策
● 脱衣所
・小型ヒーターを使用する
・入浴前に5〜10分暖めておく
・床に冷え対策マットを敷く
● 浴室
・シャワーで浴室全体を温めてから入浴
・お湯の温度は38〜40℃
・長湯を避ける(10〜15分目安)
● トイレ
・足元ライト+小型暖房
・夜間はスリッパ必須
・段差やマットの見直し
看護師ママの体験談
病棟勤務時代、
冬になると「お風呂のあとに倒れた」「トイレでふらついた」
という事例を何度も見てきました。
どの方も
「まさか自分が」
と思っていたケースばかりです。
家庭でも同じで、
予防できたはずの事故は少なくありません。
だからこそ、
・少し暖める
・一言声をかける
・環境を整える
この積み重ねがとても大切だと感じています。
まとめ|「少し気にかける」が命を守る
ヒートショック対策は、
特別な医療行為ではありません。
・温度差をなくす
・急がせない
・一緒に気づく
それだけで、防げる事故があります。
家庭だからこそできる、
やさしい見守りを続けていきましょう。


