【小児喘息シリーズ⑥】
小児喘息と吸入治療の基本
小児喘息の家庭ケアで最も重要な治療のひとつが「吸入治療」です。
特に乳幼児は発作時に呼吸が苦しくなりやすく、薬を確実に吸入することが改善の鍵になります。
しかし実際には——
1歳は吸入を嫌がりやすい 発作中はさらに拒否が強い 夜間・明け方の吸入が大変 兄弟がいると全体の流れが乱れる
など“家庭ならではの困りごと”がたくさんあります。
この記事では、看護師としての知識+4児ママとしての実体験から、
自宅で無理なく吸入を続けるコツをまとめています。
1歳はなぜ吸入を嫌がるのか?理由を解説
1歳の吸入が難しいのは、理由があります。
・① 粒子の細かいネブライザーは「吸うと苦しい」
ネブライザーのミストは細かいため、発作中の子どもには
「吸うと余計に苦しい」
と感じることがあります。
これは経験したママなら分かるポイント。
・② マスクが顔に触れるのが苦手
吸入器付属のマスクは
“顔にものを当てられること” が苦手な時期では拒否しがち。
・③ 発作中は体力も気力も低下
苦しさが強いと、泣きながら拒否してしまうのは自然な反応です。
✔ 結論
1歳のイヤイヤは「当たり前」なので、無理に当てず“吹き流し”で十分。
病院でも小児は吹き流しを推奨されることが多いです。
【年齢別】自宅でできる吸入のコツ
筆者の体験談から「かなり現実的で役立つ」方法をお伝えします。
1歳(最もイヤイヤ期)
✔ 椅子に座らせて「向かい合いスタイル」
抱っこは逃げる・のけぞる・泣いて暴れるため逆効果になりがち。
背もたれのある椅子に座らせ、親が目の前にいると安心度が高まります。
✔ 吹き流しでOK
マスク不要。
マウスピースを口元に近づけるだけで、十分な吸入効果があります。
✔ 食後の“流れ吸入”は最強
1歳は生活の流れで吸入を組み込むのがベスト。
食後の椅子に座っている流れ お茶を飲みながら 小さなおもちゃで気を逸らす
「特別な儀式」にせず、生活の流れに乗せるとうまくいきます。
2歳〜3歳(自立が始まる時期)
✔ 動画を見ながら吸入が一気に効果的に
親が当てるより、
本人が自分で吸う方が楽しくなるケースが多いです。
YouTube Amazon Kids 好きなアニメ
これだけで10分間座っていてくれることも。
✔ マウスピースは2歳頃から安定
しっかり口にくわえられるのは2歳過ぎが多いです。
ステロイド吸入後のうがいと洗顔も進んでできるようになります。
4歳〜5歳(ほぼ自立)
自分でマウスピースを持てる
吸入の意味を理解できる
10分じっと座れる
親の手間は大幅に軽減します。
嫌がる時の“姿勢・抱き方・吹き流し”
✔ 向かい合いが最強
抱っこは逃げやすく失敗しがち。
向かい合いの椅子がもっとも成功率が高いです。
✔ 背中にクッションを入れる
姿勢を安定させると泣きにくい。
✔ マスクは使わない
嫌がる原因になるため、
「マスクなしの吹き流し」を推奨します。
夜間や明け方の吸入の工夫
実は小児喘息の発作は 夜間〜明け方に強くなります。
筆者の体験談から、具体的なポイントをまとめました👇
✔ 小型吸入器を寝室に置く
荷物を移動する手間が省け、
「抱っこしたまま・寝たまま」吸入できます。
✔ 授乳しながら吸入する
乳児期の夜間はこれが最強。
✔ 泣いて嫌がる時は、まず数分抱っこしてペースを整える
無理に当てると逆に呼吸が乱れます。
吸入後のスキンケア・トラブル予防
ここは“看護師ママだから書ける部分”で大事な内容です。
✔ ステロイド吸入は「洗うこと」が絶対必須
吸入後は、
・口の中のうがい
・顔をきれいに拭く が必要です。
■ 筆者の失敗談:
1人目の時、具合が悪く体調を優先するあまり、口周りが洗えないままに眠らせてしまった結果、口の周りがガサガサになり荒れてしまった。
✔ 睡眠前に吸入が難しい場合の工夫
夕食前に時間を前倒しにする
寝落ちしたら最低でも顔だけ拭く
うがいができない子は水を飲ませる
吸入器は2台あると便利?経験談
✔ 吸入器は2台あると管理がとても楽
1台目:大型 → リビング
🏥 オムロン OMRON ネブライザー(NE-C28)
病院と同等レベルの霧化能力があり、喘息・細気管支炎・クループなど 医師処方の吸入薬を確実に届けたいときに最も信頼できるタイプ。
在宅吸入器の「メイン機・据え置き型」として家庭に1台あると安心です。
💡こんな家庭に特におすすめ
- ① 喘息・細気管支炎の持病がある
- ② 季節の変わり目にゼーゼーしやすい
- ③ 夜間の呼吸音(ヒューヒュー)が不安
- ④ 発作時に病院がすぐ受診できない地域
2台目:小型 → 寝室・旅行・帰省時用
発作頻度が高い小児は、
吸入場所を固定せず、状況に応じて動かせることが重要。
夜間明け方の発作は、毎回寝室で起こります。
小型の吸入器があると親の負担も激減します。
🌿 PARI パリ(小型)
ドイツ製ジェット式で信頼性が高く、粒子の細かさ・吸入効率が非常に安定しています。
通院が続く時期、夜間ゼーゼーが不安な子、旅行・帰省にも持ち運びたい家庭にぴったり。
💡おすすめの使い分け
- 自宅メイン:OMRON大型
- 車・旅行・帰省・寝室:PARI小型
- 夜間・咳込み・発作の早期吸入に便利
※「持ち運び×霧化効率×静音性」のバランスが良い、親子向け吸入器です。
まとめ:家庭での吸入は「生活に組み込む」が成功の鍵
✔ 1歳は嫌がって当然。吹き流しでOK
✔ 食後・動画など“生活の流れ”に吸入を組み込む
✔ 夜間発作に備えて小型吸入器が有効
✔ ステロイド後は口と顔のケアが必須
✔ 年齢が上がるほど自立して吸入が楽になる
そして、何より大切なのは
「完璧を目指さない吸入ケア」
家庭の吸入では十分に吸入ができない日があったり、泣かれて進まなかったり…
そんな日があって当然です。


